ポケットサイズノートへのコラージュでずっと満足していたのに、2〜3倍の大きさがある古い紙を使ってみようかな、と思ったきっかけは、実家の押し入れを片付けていた時、こういういい感じに日に焼けて独特の色になったいろんな色の紙が一束(3センチ近く)も出てきたからだ。
親の荷物を片付けていることは前に書いたが、その荷物のほとんどは紙類(作品群、書籍、ノート、雑誌、郵便物、写真など)である。元々、紙の趣味のまま紙を中心とした社会人になり、電子書籍時代に住むことになったわたしであるが、今となっては、どんな紙でも、簡単には捨てづらい。現在自分の責任下にある紙類を分類整理しながら全体を見ていくと、ほとんどが日本のもので、3割ほどが外国のもの。最終的に捨てられない紙というのは、紙そのものに魅力がありますね。
"music"というタイトルをつけたこのコラージュ作品には、母親が「美容」というタイトルのファイルにスクラップしていた山本容子(銅版画家)さんのインタビュー記事を使った(山本さんの言葉は、どこを切り取ってもかたちが良く、切れ味があり、可愛さが見え隠れして、ご本人をよくあらわしている)。さて。こうやって、紙への偏愛を再確認しているなか、いろいろ面白い味をしめてしまった我がコラージュを、[ZASSHI]というセットに仕立ててみました。たまに覗いてみてくださいね。
Music
何事も、ただ、眺めて誤解したままじゃ何が起きてどう進んでいくのか解らない
段取りにはそれぞれ大切な意味がある
子どもの頃は、下絵を描かないから
歌いながら、物語を知り
真っ白だった紙にイメージが現れた時、
何もしなければ真っ白のままなのにいつの間にか自分が何かを描いていて
袖口が触れた後や、物が落ちてできた傷も、
リアルなプロセスとして絵の中に残して
アトリエの天井のスピーカーから流れる音楽や
大きな写真集の開いてあるページ
活けてある花など部屋の中の何かをちょっとずつ変えることで
画面と対話しながら、偶然の出来事を生かして遊ぶ鼻歌を歌いながら、「はしょらないで」完成
"music" by ami_harikoshi.
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