わたしが行う自然療法のバイブルは、東城百合子さん主宰の月刊誌『あなたと健康』(あなたと健康社)である。
昭和48年創刊の『あな健』を初めて手にしたのは、小学生時代。給食がまずくてどうしても食べらずに毎日が辛かったわたしを見て、母が保健室の先生と相談しながら、自然食を勉強しはじめたのがきっかけだ。
保健の先生は、ダーマヨガ(ポーズだけではなく、マントラや瞑想などの精神性も重要視する伝統的なヨガ)の修行にインドまで出かけていくホリスティックな人で、もちろん玄米食の菜食主義者(卵・乳製品は食べない)だった。今では、ピラティスでビーガン(卵・乳製品、魚・肉を食べない)でアロマセラピーという人はちっとも珍しくないが、昭和50年代に「ヨガで菜食主義で自然療法」ということはすなわちインドで買った麻のズダ袋系パジャマを着た「超変人」のことなのである。
わたしは素顔にメガネの彼女の顔が大好きで、「給食がまずくて具合が悪い」といっては保健室にいりびたり、腹式呼吸やコーラの砂糖量(ボトルのロゴ上部を指さして「ここまでお砂糖が入っているのよ」)などいろいろ大切なことを教えてもらった。
『あな健』は38ページほどの小冊子で、小学生でも読めるやさしい内容。学校では教えてくれない健康のしくみや自然療法について知り、身につけ、心で深く知ることができる名著である。「自然療法」というと、その底には「自然はよくて、人工はだめ」という思想があるものだが、東城先生の考え方は妙に極端な自然崇拝主義ではない。それこそわたしが母といっしょに読んでいた時代には自然だけに頼ろうと主張する時期もあったかもしれないが、先生も時代とともに変化してきている。
表紙をめくると、「本誌をお読み下さる方へ」という囲みがある。
自然の姿をみつめてみましょう。
どんなに暗い夜があっても必ず明るい朝がやってきます。きびしい寒さの冬でも暖かくほほえむ春が参ります。
きびしい公害と有害食品に悩まされる中にあっても、自然に帰ろうと想う時、自然はさあ元気を出すんだ、がんばるんだと健康法をさとしてくれます。
本誌はそのみえない自然の力を学びたいとの思いで、たった一人から始め三十三年になりました。皆さまとご一緒に、自然を師に学びつつ心でつながる縁を大切に生きたいと思います。
疲れを溜めたり、飽食をしたり、ぐっすり眠れなかったりすると、わたしたちはいつか調子を崩す。日常の手当が遅れると病気になってしまうし、慢性病を抱えることになってしまったらタイヘンだ。
東城先生は、「生活の間違いが身体を壊す」といいます。
「自分の生活は間違ってる!」と感じる方は、ぜひ「あな健」お読みください。
『あなたと健康』(あなたと健康社)
1年間購読 2,520円/2年間購読 4,700円

※ちなみに、食べられなかった給食は校長先生から「ではお弁当を持ってきてよし」ということになり、玄米ご飯とひじきのお弁当を毎日持って行き、同様に給食を食べない保健の先生とともに「超変人」扱いされていましたヾ( ̄ヘ ̄; )
食生活が人生を変える―細胞が活気づく“自然療法”の知恵 (知的生きかた文庫)
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