長い間たくさんの文字を読み、原稿を執筆し、
雑誌や書籍の編集をしていると、本を手に取ってページをめくった時の感触で、その本がいい本かどうかが判る。
その感触は本が好きな方ならみなさん持っているはずで、たとえば「ウェブマーケティング」の本を探す場合は本屋さんや図書館で何冊か手に取り、パラパラとページをめくって後書きや前書きを読んだりもくじを見たり何ページか立ち読みしてみると思いますが、「あ、この本にしよう」とわかる瞬間のことです。
プロの世界だと「字面」という言葉を使ったりしますが、文字の組みとして美しい、美しくないというのは(デザインやフォントのことだけでなく、文字ひとつひとつの組み合わせ、つまり文章として美しいかは)パッと見た瞬間にわかります。多くの人が「美しい本」「感じのいい本」と感じる本は、やはりいい本なのです。
先日紹介した平田大治さんの本(『マーケティングとPRの実践ネット戦略』)を、新宿の紀伊國屋書店で購入しました。平積みされているのを発見した時の印象としては、隣近所に並んでいるウェブマーケティングの書籍のなかでも、群を抜いてセンスがいい本だということです。手にとってやおらカバーを外すと(本屋さんで上製本のカバーを外すのはわたしにとっては通常の行為)、山吹色のボディにシルバーの水玉が飛び出てきたから超感激(みなさんもこの銀玉はルーペを片手に要チェックだ!)。本の重さと価格のバランスにも信頼感がありました。
立ち読みの印象としては、チャプターごとのテーマタイトルすべてに魅力があり(たとえば、「CHAPTER 3 自分の顧客と直接対話する」のなかの「あなたの専門性を世に知らしめよ」とか「コンテンツの編集長になる」とか「自分のストーリーを語れ」に、わたしは興奮)、テーマごとの文章が驚くほど短く(たとえば「あなたの専門性を世に知らしめよ」は14〜15行)、忙しくて読書の時間がとれない方でもリズムを持って読みやすいという点が、いちばんの特徴だと思います。
わたしのように紙媒体世界での仕事経験が長く、ここ2〜3年でウェブ世界へ足を踏み入れたという方は、訳者である平田さんのあとがきに勇気をもらうはずです。紙時代からの仕事仲間だけでなく、クライアントにも読んでもらいたいなぁ〜!
本書では、マーケティングとPRを成功させるためにさまざまな方法が紹介されていますが、著者が何度も述べているように、どれが ”当たり” なのか、やってみないとわからないことがたくさんあります。さらに先行者利益というものが存在する以上は、チャレンジを続けることがとても重要であることは間違いありません。一度や二度の失敗に懲りずに、どんどん挑戦することが動きの早いネットでは大切です。 そして、まだ半信半疑なみなさん、著者もいってますが全部実行する必要はありません。また、顧客のペースに合わせると同時に、自分たちのペースを守るのも重要です。ネットの世界では透明性と継続性がカギです。信頼を得るには蓄積が必要で時間もかかります。1つ2つ、小さなことでも継続して続けてみてください。そしてネットの力を実感できたら、そのときに本格的に始めてみたらいいのです。そんな一歩を踏み出すときに本書がお役に立てば幸いです。
※アナログのマーケティングもずんどこ実践しよう!写真は紀伊國屋書店新宿本店3階の「インド」コーナー。
ガンジーに囲まれてもへ〜っちゃらですネヾ( ̄^ ̄ゞ)
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