友人の三浦淳子が監督・撮影・編集した『空とコムローイ 〜タイ、コンティップ村の子どもたち〜』は、麻薬や人身売買、エイズの危険にさらされたタイの山岳民族アカ族の女性や子どもたちのドキュメンタリー映画である。イタリア人のペンサ神父が運営する施設に共同生活する彼らを、三浦監督は2000年から約7年間にわたって撮影し、1本の映画に編んだ。
と聞くと、「なんだか重たい映画だなぁ」と感じる人もいるかもしれないが、この映画には暗い部分はない。かといって、タイの子どもたちの笑顔だけにあふれているわけでもない。では何なのか?といわれると、「三浦監督の世界」としかいいようがない。
三浦監督の言葉を、映画のチラシから引用してみよう。
会社員だった私が、日本から遠く離れたタイの最北端、メーサにあるこの施設の人々に出会ったのは、8年前のことでした。ここでは、どんな小さな子も、隣にいる友達と助け合って暮らしていました。それは、自分のことだけで精一杯になっている私達が、置き忘れてきたもののように思えました。経済的には豊かになったけれども、生きている事に疲れて自らの命を絶つ人がいる。今の日本で、「共に生きる」事を、彼らから学ぶことができるのではないか。貧しくても、自尊心を持って、幸せに生きようとする子供たちと、それを支えるイタリア人神父さんのたゆまざる努力を、手のひらでそっとすくいあげるように映像にしたい。私は、カメラを携え、ひとりでこの施設に通い、7年の歳月を経て1本の映画を完成させました。
何年か前、この映画の前身ともいえる短編を、タイ好きの人が集まった小さな上映会で観たことがある。
手持ちのカメラでアカ族の村に入り、子どもたちと初対面する。泣いている子どもや、大騒ぎしている子どもを走って追う三浦監督の震える目線の優しさと戸惑いに、わたしは酔った。ペンサ神父を撮影する時の冷静な目線との対比に、酔った。
このたび完成された『空とコムローイ』を観て、三浦監督の厳しくて優しい人間的な思いやりがコンティップ村の子どもたちの共同生活に呼応して、この作品が生まれたのだと感じた。
三浦監督自らの声で入るナレーションのヴォイスが、心地よく響く。
『空とコムローイ 〜タイ、コンティップ村の子どもたち〜』
http://www.tristellofilms.com/scom.html
まだ公開中! 渋谷ユーロスペースにて、毎朝10:30より2/27まで。 http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=182
3月7日(土)8日(日)に追加上映!!
もう上映は終了してしまいました(もっと早く記事にすべきだったのです)。
自主上映会の希望があれば、お知らせください。喜んで伺います!
まだ上映してます。
毎朝10:30より2/27までユーロスペースにて。
投稿情報: ヨシイジュン | 2009/02/23 15:32
本編のパンフレット(ユーロスペースにて販売中)をデザインしたヨシイジュンさんから、「まだ上映しています」とのコメントがありました。
はい、まだ上映しています。ぜひ、足を運んでくださいね!
投稿情報: ha | 2009/02/23 18:05
ご紹介ありがとうございます。
おかげさまで、日曜日は立ち見まで出てしまったので、3月7日(土)8日(日)に追加上映することになりました。まだ、観損ねておられる方、ご来場お待ちしております。
投稿情報: 三浦淳子 | 2009/02/25 23:17
あの監督さんお知り合いなんですね!この映画とても興味深いですね。まだ見れていないのですが。
投稿情報: ヒマナイヌの川井 | 2009/03/04 11:20